人生の通り道
数年前、母が右から左の膝頭と割り歩行できなくなり、母の面倒をみています。日中は仕事と家事に母の世話、夜は何度もトイレに起きるので、昼も夜もない日が数年間続きました。今では回復しましたが、病院の送迎、食事や掃除など今も世話は続きます。母とは性格や生活のパターンもかなり違うこともあり、心身共に疲れ、鬱にかかり、私自身も通院することに。仕事柄人とお会いすることが多く、そのような時は元気で普通にしていられるのですが、ひとりになると鬱積感はつのるばかりで、無気力になりました。
今年になったある日、長い嵐が過ぎ去った後のように、不思議と心が静まり返り、すがすがしい朝を迎えたのです。それからです。少しずつ心も体も動き始めたのは。
自分の心の中の大きな石が、少しばかり動いたような気がしています。こうして、ようやくリンクスダイアリーも書けるようになりました。
英単語にconstruction とexpansion があります。収縮、屈折するからこそ伸びて、はじけることができる。辛い時によく思い出していたのは、リンクス生のMさんの笑顔です。彼女は、義理のご両親を何年間もそれは壮絶な介護をされていました。お話を伺って絶句することもありましたが、それでも絶やさない彼女の笑顔に励まされていました。
最近まわりの人たちに支えられているのだと痛感することが多くあります。ここまで来れたのは、通り過ぎた人、今も傍にいてくれる人、みんなのおかげです。
人生はいろいろな通り道があるものです。
Harumi