夏の留学体験

夏の短期留学を実施している学校があります。生徒から短期留学をするべきか相談されることがあるので、自分の体験を思い出すことが多いこの頃です。

私の中学にも英語教育に力を入れていたため、2名の教師が毎夏10名ほどの生徒たちをアメリカのペンシルベニア州に連れていくプログラムがありました。アメリカには計2週間滞在し、そのうち1週間はホストファミリーの家で寝泊まりし、残りの1週間はクラスメートと一緒にホテルに泊まるというプランでした。ホテル滞在中はペンシルベニア州のアーミッシュの人たちの生活様式を見に行ったり、ワシントンD.Cの観光に行ったりするという計画で、クラスメートと海外に行ったことがない私にとっては大変魅力的なプログラムでした。

一見このプログラムは楽しく始まり私の中学生活の最高の思い出になったかのように思われますが、実はとても苦い経験となってしまいました。

滞在していたホストファミリーと上手くいかなかったのです。

放課後、疲れてしまった私は自分の部屋にこもっていました。昼寝をしたら夕食を食べにダイニングに行こうと思っていました。昼寝から目が覚め自分の部屋のドアを開けようとしたら、開かなかったのです。「早く開けて!」と何度も心の中で叫びました。でも、どうしても「早く開けて!」の一言が言えず、ただただ茫然とドアの前に立ち尽くし、誰かが開けてくれるのを待っていました。

30分待っても誰もこない、1時間待った時点で私は泣いてしまいました。「何で開けてくれないの?」という悲しい気持ちだけでなく、英語を口にする勇気がない自分に腹が立ち涙が次々と流れてしまいました。

次の日、引率で一緒にきていた先生にそれを伝えました。先生がホストファミリーと話したところ、ホストチルドレンがいたずらでドアに仕掛けをしてそのままにし、当のホストチルドレンは外に遊びに行ってしまったとのことでした。

日本に帰国し、その頃通っていた英語学校の先生に留学について聞かれ、ホストファミリーとの事件を話しました。先生は「それはあんたが悪い。日本語でもいいからなんか言えばよかったやん。」と言い私を慰めてくれませんでした。第三者からはっきりと自分で何もしなかったことが悪いと指摘され、何も言い返せませんでした。その時、私の英語に対する気持ちが変わりました。

「いつか英語を話せるようになりたい」は誰でも言える。でも「いつか・・・」とばかり言っていると何も実らない人生になってしまい、結局はただ泣いて終わる人生になってしまう。英語であれ、日本語であれ、何か一言自分の気持ちや意見を伝える勇気が、「いつか」を「これから」に変えるのだと学びました。

夏の短期留学楽しいこともあれば、学ぶこともたくさんあります。ぜひ、勇気をもって参加してくださいね!

 

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