仕事で何度か訪れたボストンは、私にとってお気に入りの街です。
イギリスを彷彿とさせる英語。
秋はことのほか紅葉が美しい。
ガレッタなどのイベントでにぎわうチャールズリバー。
ふんだんに使われた木により温かみがあり、高い音響効果のあるコンサートホールに小澤征爾のための椅子。
チョムスキーやヒューバート・ビックスが今も健在な町。
市民に愛されているボストン・レッドソックス。
建ち並ぶおしゃれなショップやレストラン。
そんなボストンに、黒人の子供たちが通う「ルネサンス・チャータースクール」という学校がある。
それまでの荒れた学校を何とかしようと親や関係者が集まり、自治体をつくり、運営されている。
貧困や親がアル中、ドラッグ中毒などで食事をとれない子供のためのミルククーポン。
授業の前に、まず朝食をとることから始まる子供たちも多い。
学校は安全で、子供たちは礼儀正しく、いきいきとしている。
「規律は厳しいけど、子供たちは僕たちにすごく愛されていることを知っているから大丈夫さ」とはメンターの先生。
経費節減のため、オンラインで市内のすべての図書館とつながっており、子供たちは好きな本をいつでも取り寄せて読むことができる。
「ボストンのすべての図書館が、私たちの図書館です」とスタッフは笑った。
毎年6月は優秀な成績を収めた卒業生たちが、ドレスアップをして、ホテルで表彰される。彼らの表情は、貧しさを微塵ともみせず、誇りに溢れている。
そんな教育と文化の街を遠隔操作で、市民が楽しんでいるマラソン大会のゴール付近で爆破させた。しかも2度。9.11の時と同じやり方。父親を応援に来た少年の命さえも奪う。
その卑劣さに、怒りが湧き上がる。
これこそが神への冒涜だと思う。
Harumi