Harumi’s Diary ゴンザ 世界最初の露日辞典を作った男

投稿者: | 2018年9月3日

 世界ではじめて露日辞典を作った人をご存知ですか。ゴンザという薩摩出身の日本人だそうで、最近「ゴ
ンザ~世界最初の露日辞典を作った男」(NHK BS)というドキュメンタリー番組で紹介されました。
 1728 ( 享保13) 年11 月ゴンザは父親たちと一緒に薩摩(鹿児島県)から絹などの高価な物を積んで、大
阪に向かいます。しかし航海中に嵐にあい、カムチャツカに漂着するのですが、コサック軽騎兵たちに略奪
され、父親を含む15 人が目の前で殺されてしまいました。生き残ったのは11 歳のゴンザと35 歳のソウザ
だけです。
 ゴンザはそれから21 歳で病死するまで、再び日本の土地を踏むことなく10 年間、ロシア正教に改宗、
ロシア語も堪能になり、日本語講師になりました。そして「新スラブ・日本語辞典」や会話帳、文法書など
6冊を書き上げます。日本語と言っても薩摩弁ですので、「露薩辞典」と言った方がいいかもしれませんね。
しかし、たった11 歳の少年の語彙力からどうしてそこまで書くことができたのか、その能力には驚くばか
りです。
 そして、番組最後のゴンザのことばに心が打たれました。「日本語会話入門」の序文として、学生たちに送っ
た言葉です。彼がまだ18 歳の時です。
 声に出して読むとゴンザが生き返ってきて、彼の真摯な生き方、やさしさ、学生たちへの励ましが伝わっ
てくるようです。ゴンザのこのことばを、英語を学ぶみなさんに贈ります。
サカシカ ワラベナンド   健気な 童たちよ
キャイ ナラウフコト  来なさい 習う人よ
ナラウェ ニフォンノコトベ 習いなさい 日本の言葉に
フォトゲ コナッタチ アケヤロ 神仏は こなたたちを 開明になさろう
シショタチ コナッタチヲ スカユ  師匠たちは こなたたちを好かれよう
ベチナタ フォメラユ  別の人たちは褒めてくれよう
ワガマイェカラ ウイエシガロ  自分自身は 嬉しくなろう
ファジマヤ シンドカアル 始まりは 心労であろうが
ナカ アロ カル 途中は 軽くもあろう
サキャ ヨカフト 最後は仲良しもあり

Harumi

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です